光で抗菌作用をコントロールできる銀ナノ粒子を開発
銀は様々な細菌の増殖を抑制する抗菌効果を持ち、特に薬剤耐性菌に対しても抗菌作用を示すため、抗生物質が効かない感染症にも効果があると期待されています。銀は、銀イオンあるいは銀ナノ粒子の形で抗菌剤として用いられますが、銀ナノ粒子は不安定で、その抗菌作用がすぐに失われてしまうという欠点がありました。今回、熊本大学の新留琢郎教授、慶應義塾大学の寺川光洋准教授、大日本塗料株式会社の溝口大剛博士らの共同研究グループは、銀ナノ粒子を金でコーティングし、銀ナノ粒子の安定性高めると共に、パルスレーザー光を照射することで、その抗菌作用をコントロールできる技術を開発しました。
光照射部位のみで抗菌作用を発揮させることができる本技術は、薬剤耐性菌対策や感染症治療への応用が期待できます。
本成果は、平成29年10月11日(水)に英国王立化学会の科学雑誌「Nanoscale」に掲載されました。
【掲載誌】
Nanoscale
【タイトル】Effects of pulsed laser irradiation on gold-coated silver nanoplates and their antibacterial activity
【著者名】Kaung Kyaw, Hiroaki Ichimaru, Takayuki Kawagoe, Mitsuhiro Terakawa, Yuta Miyazawa, Daigou Mizoguchi, Masayuki Tsushida, Takuro Niidome
【DOI】10.1039/c7nr06513b
【詳細】 プレスリリース本文 (PDF 218KB)
お問い合わせ熊本大学大学院先端科学研究部
担当:教授 新留琢郎
電話:096-342-3667
E-mail:niidome※kumamoto-u.ac.jp
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